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フィンランドの教育改革の歴史をおさらい〜オッリペッカ・ヘイノネン  [リサーチ]

 以前もフィンランド教育についてブログに取り上げたことがありますが、今回は第2回目です。

 フィンランドの総合学校 (7-16歳)では、2016年夏から新しい教育カリキュラムが推進されています。
ご興味のある方は、フィンランド大使館のHPをご覧下さい。
http://www.finland.or.jp/public/default.aspx?contentid=350772

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「ランキングの意義はとるに足りません。PISAは血圧測定のようなもので、時々自分たちの方向性を確かめる上ではよいですが、それが永遠の課題ではないのです。教育上の決定を行う際、こどもや若者が将来、必要とする情報こそが大事な要素となります。」

 PISAなどの世界ランキングやその評価に振り回されることなく、激変する時代をしっかりとモニターし、常に子ども達にとって必要な能力を見直し未来を見越して教育が実施されています。確かに、ランキングの結果が発表されたときは、すでにそれは過去であり時代も大きく変わっているのです。
 常に、20年先を見越して国の方針を打ち出し、先手先手で手を打っているように見受けられます。たしか、フィンランドの国家のスローガンに”世界を先導し、世界に貢献するフィンランド”のようなものがあったと記憶していますが、有言実行の国ですね。
 フィンランドの時流を的確に捉える鋭い感覚、先見性、決断力、実行力の秘密は一体どこにあるのでしょうか。第一に、国と地方自治体、経済界、教育界、そして国民の信頼関係が強固のようです。国の人口が小さいことや、過去の歴史的な苦境も大きく影響しているようです。
 常に世界のトップレベルを走る教育先進国に学ぶことはとてつもなく多いでしょう。

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オッリペッカ・ヘイノネン元教育大臣

 本日は、フィンランドの教育改革の歴史をふりかえります。

「学力世界一」の礎を築いたオッリペッカ・ヘイノネン元教育大臣をご存知でしょうか。

1991年のソ連崩壊で東側との優先的貿易が途絶え、失業率は20%にも.......
5人に一人が失業とは……….
そんな混沌とした時代…….
新たなフィンランドの担い手を養成すべく、
1995年に大きな教育の大改革に踏み切ったのが、当時の、教育大臣オリベッカ・ヘイノネン氏。

オリベッカ・ヘイノネン氏。
・現在、大統領、首相に次ぐポストに就いています。
・中学教師を経験後、
・1991年〜1994年、教育大臣特別顧問。
・1994〜1999年、教育大臣。(就任時は29歳!!)

・教科書検定制度1992年に廃止
・1994年に、新教育指導要領を立案 (ポイントは後ほど……)

*ちなみに、1995年はWindows95が世に出た時代。この時代をご存知の方は、あの時代の日本がどのような雰囲気だったか思い出しましょう。
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ヘイノネン氏の言葉

・「不況を脱するためには、人という資源に投資するのが一番良い。教育にこそ未来がある」

・「変化のスピードが激しい社会では、なぜそのような状態なのか、ほかの可能性もありうるのではないか、ということを絶えず考え続けなければならないのです」

・「経済成長のことは忘れるべきだと思います。わたしは、人の資質、人間の成長に集中すれば、経済的な成長はあとからついてくると思っています」

などなど、教育の本質を語るありがたい言葉が山ほどあります。

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1994年の教育改革のポイント
1) 教育現場に大幅な裁量権 (教育の自由化)
・従来の1/3程度の量に削減 (必要最低限教えるべき内容を決定、ナショナル・コア・プログラム)し、目指す教育の質のみを示した。
・地方自治体、学校、教師の裁量権を大幅に拡大。
・教育現場に、自由と責任をより多く持たせ、モチベーション・創意工夫を。

2)教員養成の強化
・最も人気のある教師という職業を狭き門に (教員採用率10%未満)
・教員資格を、学部卒業から、修士以上に変更 (ヨーロッパで唯一)
・養成課程の1年生から既に学校現場で教育実習を始める

3) 教育への予算投資
・学校設備の充実 (全ての学校にパソコンを設置するなど)
・教育に関与する公務員の増加
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1990年代に教育の平等が達成されているか調査を実施。
教育の自由化による地域格差が明らかとなり、2004年版の教育指導要領では、教える内容を増やし、評価をつける統一基準を設定して改善をはかった。

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教育改革の偉大な成果

PISA。2000年世界一、20003年世界一。
2015年の結果は少しランキングが下がっていますが、常に教育改革の先端を行くがゆえに、もしかしたら、テストの方が教育に遅れをとっていて、子ども達の教育成果を測定できていない部分もあるのではないかと個人的には考えています。冒頭にあげたように、フィンランド教育界の姿勢は、実に冷静沈着です。

「ランキングの意義はとるに足りません。PISAは血圧測定のようなもので、時々自分たちの方向性を確かめる上ではよいですが、それが永遠の課題ではないのです。教育上の決定を行う際、こどもや若者が将来、必要とする情報こそが大事な要素となります。」

経済の成果
2016年、7月の世界経済フォーラム(World Economic Forum)の発表。(http://reports.weforum.org/global-information-technology-report-2016/
各国のIT分野の競争力を比較。
フィンランドは、シンガポールに次いで堂々、第2位!!
1994年の教育改革開始時点で、ヘイノネン元教育大臣が読んでいた通り、大きな教育成果が得られたと共に、経済も大きな成長を遂げています。
とりわけ、IT産業の成長で景気を回復させ、経済成長と教育改革の両方を成功させたと言えるのではないでしょうか。
教育は、国力そのものですね。
一人一人がこの事実に気づくだけでも国の未来は大きく変わると思います。

現在、フィンランドの第三のポストに就く人物。
今後も偉業を成し遂げていく重要人物であり続けることでしょう。

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