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『考える花』と『感じる花』スティーブン・バックマン著 築地書館 2017 [読書]

上巻の『考える花』と下巻の『感じる花』スティーブン・バックマン著 築地書館 2017

2冊並んで、美しい紫と赤の花の表紙が目に留まり、
その思わせぶりなタイトルにひかれ・・・

とりわけ、タイトルがとってもわたし好みで、これはもう読むしか選択肢がありませんでした。
というわけで早速読んでみました。

著者、スティーブン・バックマンは昆虫学者、送粉生態学者、花と花粉媒介者の研究者。
アリゾナ大学の昆虫学科と、生態学・進化生物学科の教授です。

原書は一巻で、『The Reason for Flowers』となっています。

花の世界を様々な視点からふかーくとことん探究されています。
実は、こんなにもしたたかだった花たち?
彼らの戦略は非常に緻密で精巧なものだった!!

知られざる花の世界が、生態学者によって、これでもかこれでもかと暴かれていきます。
専門の生態学、昆虫学、自然科学的、生物の進化など側面だけでなく、
文化人類学的、歴史学、宗教学な側面からも丁寧に調べられており、
ありとあらゆる角度から、そして時間も過去まで歴史を遡って花を大解剖したものです。
歴史、分化、芸術、医療、食事などと花の関わりをそれぞれおもしろおかしく示されていました。

例えば、こんな感じの内容です。

花びらと花粉粒は弱い、一般にはマイナスの電荷を帯びているんだそうです。
(詳細はとっても面白いのでお楽しみに、ネタバレなしでいきます)

花の登場の歴史が徹底研究されていたり、
食べる花トップ10や食べてはいけない花まで丁寧にリストアップされていたり、
サブリミナルの花の匂いの研究紹介がされていたり、
青い花から黒い花まで徹底リサーチされていたり、、、
まだまだ続きます。

どちらか一巻だけでも読める構成です。
さらに、一人一人、興味のあるセクションだけ選んで読める構成になっていました。
個人的には、やはりご専門の分野の記述が多い上巻の『考える花』の方に軍配です。
最も興味深い内容が多くありました。


ほんとうに多様な側面からの、花の探Qでした。
久しぶりに、読んで良かった!!と思えた、いちおしの良書です。
2016年の著書なので内容も新しく、大満足です。

こんなに視野の広い素晴らしい本を書く教授ってなかなかいないのではないでしょうか?
研究室では普段いったいどんな感じなんでしょうか。
授業もきっととても面白いだろうなあ、なんて想像してしまいました。
どこかに映像が落ちていないか探してみることにしましょう。



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