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『Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた気象学者』 [読書]

『Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた気象学者』 –2017/8/3 小学館
佐々木 健一 著

アメリカで大活躍した偉大な気象学者の知られざる感動ストーリーです。
海外で偉大な業績を残し著名だけれど、日本では殆ど知られていない、
そんな人々は意外に多いですが、その最たる事例かもしれません。

私もこれまで存じませんでしたが、偶然、何かのご縁で出会った本です。

時代の先を行く人には、例外なく周囲から猛批判が飛びます。
強く激しい向かい風が襲います。
しかし、屈せずに闘い続け、信念を貫き通します。
そしてとうとう、偉業達成、多くの人の命を救うことに貢献しました。


父からの実地での体験型教育、
18歳の科学賞受賞が研究者としての人生の原点となっていること、
専攻が、はじめから気象学ではなく、機械工学であり、物理学も学んだこと、
長崎の原爆調査の経験、
地質学の教授に同行した調査の体験など

ほんとうに人生にはひとつも寄り道や無駄なんてないんだと教えてくれます。
というよりも、氏は、これまでの経験の一つも絶対に無駄にしないという決意で、
常にベストを尽くして日々闘っていたからこそ、
全ての経験とそこから得られた智慧が、本当の意味で活きたものに転化したんだと思います。


最後は、お気の毒なことが重なり、読んでいて辛かったです。
親友が病状を記録するように伝えたところと、それに応える博士の姿勢が感動的でした。


中高生、青少年の皆さんにもぜひ読んで欲しい偉人伝です。
誰もが知る、メジャーな偉人伝とはまた趣が異なります。

得られるものがあるのではないでしょうか。


氏は、18歳のときに父を、そしてそれから数年後に母と妹も結核で亡くしています。
32歳の時にアメリカに渡り、その後、"Mr.トルネード"とよばれるまでに。

回顧録の冒頭は、
「私の人生は、"幸運"と書かれた石の上を歩いているようなものだった」
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