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自己効力感、自尊感情をおさらい [リサーチ]

日本の子ども達の自己肯定感が、他国に比べて極めて低いことはよく知られる。
3/30に発表された、4カ国間での高校生の国別比較調査でもその傾向が顕著であった。



どのようにして、自己効力感を育んで行けばよいのかを見直すため、
自己効力感とは何か、おさらいする。


■自己に対する感情、評価に関わる言葉。
簡単には、およそこんな感じか?

○一人の人間としての自分
自分が好き(自尊感情、自己肯定感、自己受容、自己評価)、
自分に満足(自尊感情、自己肯定感、自己受容、自己評価)、
自分はかけがえのない価値ある存在(自尊感情、自己肯定感)、
自分にはものごとをなす力がある(自己効力感、自己信頼)
自分は自分。ありのままの自分を認める(自己受容)

○人や社会の関わりの中での自分
自分は人の力になっている(自己有用感)
自分は人から理解され、認められている(他者受容感)
他人を理解し、役に立ちたい(他者理解、貢献感)
自分の意見を発信できる、表現できる(自己主張、自己決定、自己表現)


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◎ここで、国立青少年教育振興機構のHPを参考に、基本をおさらい。
http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/100/

■自己肯定感とはなんだろう?

・自己肯定感とは、
自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定でき
る感情などを意味する言葉。 (出典 実用日本語表現辞典)

・自己肯定感とは、
自尊感情(Self Esteem)、自己存在感、自己効力感などの言葉とほぼ同じ
意味合いで使われている。(出典 国立教育政策研究所 『自尊感情』?それとも『自己有用感』? 平成27年)




・小学校高学年の時期に、重視すべき発達課題の一つとして、自己肯定感の育成があげられている。(出典 子どもの徳育に関する懇談会 子どもの徳育の充実に向けた在り方について(報告)平成21年)
以上、国立青少年教育振興機構のHPより
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■自己肯定感、自尊感情の発達に伴う変動
一般的に、小学5年生頃から低下し始め、高校生でどん底になる。

・思春期における自己否定、自己嫌悪 
各国共通、青年期には自己肯定感低下の傾向あり。
発達心理学的に、自分と向き合い、内省を迫られる思春期には、
自分が見えてきて、人の思いも理解でき、人の思惑を推察できてくる。
成人期も含めると、自己肯定感の低さは高校生がどん底であり、その後歳を重ねるとともに
再びさらに上昇してゆく。


■なぜ、他国との比較調査で、日本の子ども達の自己効力感は極めて低いのか?
(国民性が少なからず影響か?)

1) 自己有用感が極めて低いことが、自己効力感、自尊感情を低めている
人の役に立っているという自己有用感が極めて低い。
人の目を気にしたり、まわりの人間に合わせたりする面が多く、
とりわけ、人間関係、人の役に立つという自己有用感が強い傾向あり。
従って、自尊感情、自己効力感の中で、自己有用感の占める割合が最も高い傾向がある。
(一人の人間としての自分の領域よりも、他者との関係性の中での自分をより要求しているのかもしれない。

参考)るいネット
若者の意識潮流~日本の若者の自己肯定感は、「自国の役に立てる」=自己有用感と相関している
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=327880




2)自己評価の厳格さがデータに影響か?
外国との比較調査において、日本人には、謙遜する文化が根強く残っており、
自己評価そのものが他国よりも厳しい可能性があるのではないか?
つまり、自分の能力や自尊感情を他国よりも低く見積もると言った国民性が影響している可能性あり。


3) 褒められる機会や成功体験が少なく、他者から認められているという感覚が低いか?
叱られたり、注意されることは多くても、褒められる機会が少ない可能性がある。
外国の教育に比べて、成功体験を成功体験として認識する機会が少ないように思われる。
日本人は、褒めるのが上手でなく、褒められるのも上手ではないのか?


種々の要因があるが、データとして、他国よりもかなり低いことは事実。
自己肯定感が低い子ども達、どのように高めていく方法があるのだろうか?


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■自己肯定感を高めるには?
・大いに他者から認められる、褒められる、必要とされる
・斜めの関係の中で年上の子が年下の子の世話をして役に立ったという体験の積み重ね
・体験活動の中でも特に他人の役に立ったささやかな経験の積み重ね


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もう少し詳しく・・・・
■A. Bandura (自己効力感という概念の提唱者)の理論


・Bandura(1977)
自分の能力を信じ、行動を起こす力を"自己効力"とした。
達成した結果ではなく、目標や課題に立ち向かっていく力をいう。

・Bandura (1995)
自らに効力があるという信念の源として、以下の4つの要因がある。

①制御体験(成功体験)
自分は確かに成功したのだ、達成したのだという経験を積み重ねて。
力強い自己効力を持てば、限られた厳しい条件下におかれても、さらに努力していける人間になる。

②代理体験
同様の目標を持つ人や、すでに目標を達成した人を見ることから、
自分も努力をすればきっとできるという信念を持つことができる。
親しい人物、友人や、先輩などの体験談に触れること。

③社会的説得(言語的説得)
「やればできる!」、「能力は充分にある!」など他者からの言葉がけ、説得、激励から。
人からの激励の言葉を受け入れる態勢を整えられていることが大切。
自己暗示を含める。

④生理的・感情的状態
自身の長所、短所を知り、欠点を冷静に分析し克服法を探る。
ドキドキ感、不安感を生理的反応から認知することが影響する。
自分が、このような自身の特性をどのように受け止めているのかを認識することから。

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■M. Rosenberg(自尊感情研究の第一人者)の理論

自己概念は、
六つの社会的同一性要素
(社会的階層、宗教、興味、態度、性格、習慣、成育歴、家族地位など)
と、身体的特性から構成される。


これらの中で、価値観が高いと思う順に認識され、
その中心的な価値を占めるものについての達成・到達が、高い自尊感情をもたらすとしている。

自分が価値が高いとする要素における理想のイメージと自ら認識している自己像がかけ離れている場合、自己嫌悪、自己否定感をもたらす。

・Rosenberg (1965)
自尊感情には、
「とてもよい」(他者より優れていると他者から見なされていると思うこと)と
「これでよい」(自分の価値基準に照らして自分を受容し、自分に好意を抱き、自分を尊重すること)
という二つの意味がある。

理想とする自己像と認識している自己像とのギャップも自尊感情形成の要因となる。
理想とする自己とは、自分が目指そうとするより高いレベルの自己であり、
その目標を達成することで自尊感情が高まっていく。


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■自己肯定感・自尊感情の高い子どもたち低い子どもたちを観てみよう


○高い子どもたち
「自分が価値のある存在である」と感じ、自分に自信がある。様々な物事に取り組む意欲が高い。


・自己開示ができる
・友だちを助け、友だちの力になる
・課外活動に積極的
・学習意欲が高い
・友人関係が良好
・進路の目標が明確
・教師等大人との関係が良好
・授業の理解度が高い
・欠席や遅刻が少ない


○低い子どもたち
・暴力行為
・やる気がおきない
・友だちとうまく行かない
・過敏に反応する
・自分で判断できない
・授業の理解度が低い
・欠席や遅刻が多い


■自己効力感を高める方法
・Sakurai(1997)

・子どもの自己選択場面を多く設ける
・子どもが成功体験を積み重ねられるよう配慮
・できるだけ子どもを称賛
・自己評価を利用
・ピグマリオン効果の利用(子どもへの期待が他者受容感と自己効力感をUP)


この他、
チームワークが必要なスポーツや、
豊かな自然体験の経験、
日常生活における種々の体験
などの豊富さと、
自己効力感との相関関係が認められている。



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