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『心理学が描くリスクの世界 第3版:行動的意思決定入門』 [読書]

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意思決定の理論。



人生は意思決定、行動選択の連続といえる。
誰もがそれぞれ、絶え間なく、自分自身にとってベストな選択を探しているはず?!

今回は、まず大人の研究成果をおさえておこう。
そんなわけでこの分野をざっと見通すために読んだ書がこちら。

『心理学が描くリスクの世界 第3版:行動的意思決定入門』 単行本 – 2018/1/23
広田 すみれ (著, 編集), 増田 真也 (著, 編集), 坂上 貴之 (著, 編集)


本書は、大人の心理学だけれど、
基本的なところをおさえられたので、かなりスッキリした気分。
心理学的アプローチにより得られた意思決定多くの興味深い実験結果が紹介されていた。

大変読みやすく、実験に使われた問題や例題も豊富に掲載されているので、
クイズに挑戦する感覚で楽しめると思う。

クイズを楽しめるのと同時に、これまで知らなかった世界に出会える。
ああ、そうだったのか・・・これは意外!!
なるほど、そういうことね!!
人の心理って摩訶不思議なしくみね!
合理的思考ばかりが言い訳じゃない!
などと、
こちらの分野の専門家でなければ、少なくともどこかのページで驚けること間違いない。

おまけ。
若い女の子は、"私のどこが好きっ?"と彼に尋ねない方が賢明かもしれない。



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個人の意思決定ももちろん面白いのだけど、集団での意思決定はさらに興味深く思える。
集団の意思決定、集団の課題解決、同調なども興味深い。

同調の結果は、こんなにも・・・?
にわかに信じられないほど、高い比率。
被験者じゃないから思い切って言ってしまおう。
もっと、しっかり自分を持って、自分の考えを貫いて!!



こうなると、やはり小中学生の子ども達の集団としての心理がきになるところ。

探Q舎の学び。
一人の場合は、比較的シンプルなのだけれど、二人以上になると授業が格段に複雑な展開を見せる。
まあ、それは当然なのだが・・・・・(何算なのかはわからない。)
ただ、それは単なる1+1ではないことだけは確か。

子ども達にも、大人達の世界同様、おそらく複雑な集団心理が働いているのだろう。
協同的な学びといいつつ、一人一人が手を抜いてしまったらそれはそれは大変。
大人の世界よりも協同が上手であってくれることを祈る。

アクティブラーニングの成功の鍵は、この辺りにあるのではないか。



子ども達の世界での、集団の意思決定、集団の課題解決、同調、ピアプレッシャーなども興味深い。
ぜひ、最新の知見を入手しなければ・・・

探究型の学びの中での子ども達の心理の探究は、こちらの探Qテーマでもある。




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感情と理性のバランス:意思決定の理論 [ジャンク]


以前より、心理学には興味があったのだが、
日頃、子ども達に関わる中で、積極的に実践に取り入れたい気持ちが益々高まっている。

自己決定、主体性、自律、自己制御、自由選択・・・
子ども達の意志、感情を最優先に、探究を進める中で、
彼らの意思決定のメカニズムに迫りたい場面が多々ある。

まずは、個人の意思決定。
これは、基本的には、心理学の立場では、二重過程理論として知られ、
感情の過程と理性の過程が時と場合によりバランスを変えつつ、
統合的に意思決定がなされるというもの。

普段は、前者の無意識的な感情の過程が優位であり、判断も速いが、
複雑、深刻な課題に直面した際には、後者の過程が働き、
ある程度時間をかけて統合的判断がなされるという。



児童心理学の中でも意思決定に関する実験がなされているが、
最も有名な意思決定に関する実験の一つは1960年代に実施された4歳児対象のマシュマロ実験
(15分間食べずに我慢したら2個もらえる)だろうか。

4歳児の被験者たちは、40年後にも再び実験に協力した。
感情のコントロールが求められる課題に取り組んでいるときの脳活動のMRI測定した結果、
40年前にマシュマロの誘惑に打ち勝ったグループは、合理的・論理的思考や自制に関与する前頭前野の活動が高く、誘惑に負けてしまったグループは感情に関与する領域の活動が高かった。

この実験では、意思決定において、
感情優位型か理性優位型かは、既に4歳のときに決まっているというのだろうか。
40年後にもそれは変わらないと・・・・・?



現在、小中学生対象の研究は、現在どれくらい進んでいるのだろう。
"子ども達の意思決定のメカニズム"、もっと知りたくなってくる。
自己肯定感ややる気、モチベーションに関する研究はよく見るが、意思決定の理論はどうだろう。


ちょっと探してみたけれど、残念ながらピタリと当てはまるものはなさそう。
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