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10歳からの民主主義レッスン [読書]

10歳からの民主主義レッスン 2009/2/18
サッサ ブーレグレーン (著)
明石書店

この分野での本としては、大変貴重な良書だと思います。

この本の生まれた国、スウェーデンは、
民主主義ランキングで常に上位に位置し、
他の世代と変わらないぐらい若者の投票率も高いことが知られています。

政治リテラシー、民主主義リテラシーの差がこんなにも・・
政治と若者の距離が二国間では雲泥の差があること。
これがこの本を読むとよりいっそうハッキリとします。



早くも10歳でこのようにしっかりと教育をする国。
そんな国がこの世界に確かに存在するのです。


日本ではいかがでしょうか。
この本を読める10歳の子ども達は一体どれだけいるでしょうか。
残念ながら、ほとんどいないのではないかと・・・
18歳でもどうでしょうか・・・

それだけの差が、2国間には確かにあるようです。

加えて、
このままではいけないという認識を、
どれくらいの大人が持ちあわせているのでしょうか。



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教育の力って、スゴいと思いませんか。

一人一人の人間。
一人でできることは知れているかもしれないけれども、
人間同士がつながることができれば、
これが偉大な力を産み、
ものごとを為し得る、

ゆくゆくは国を変える、

そう思います。

自分を信じる。
他人を信じる。
人と人とのつながりを信じる。
つながりをつなげていけると信じる。

つながりの連鎖のみが変革を可能にするのではないでしょうか。


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家庭、友人同士、学校、地域の学び、諸々。
いつでもどこでも学びの機会はあるものとはいえ、

そのタネがなければ始りませんよね。
たった一粒でも・・・

ほんとうの民主主義を追究する国々、
ほんとうの民主主義を教育する学校、

そこでは、どのようにしているのか。

それは、実際に、学校の中で徹底的に実践するのみ。
グループ会議、
クラス会議、
学校全体での全校集会もそうです。

自治です。
教師と子ども達に格差は、なく、すべての人が一人一票をもち、学校の物事を決めて行きます。
同等に扱われます。教師にもおかしな言動があれば、子ども達から批判を受け姿勢をただされるのです。
安全な場で、対話し、議論し、より良い学校運営を求め、改善改革をくり返します。
それが伝統になっています。




政治・道徳の分野に関して、
人々の間でもっと安心して対話できる国にならないものでしょうか。


これらの分野は、とりわけ思想、信条、生き様、人間観、人生観の根幹に近いところですので、
各人の価値観が否応なしにさらけ出されます。

たしかに、学校でも取り扱いが難しいと言えば難しいのかもしれません。

教師の人間性が丸裸になるからです。
学校の人間観も、国家観も丸裸になるからです。

自分自身の内面を曝け出せる覚悟がある人間がどれだけ存在するのか。
安心安全に意見交換、平和的に対話できる人的環境がそれだけ存在するのか。

公的な教育現場では、どうしても敬遠されがちな領域です。
おそらく、教科化された道徳の授業もそのような側面があるでしょう。
なにしろ、教師が子ども達と対等の人間として対話できないしくみなのですから・・・

こういうとき、書籍が威力を発揮するのではないでしょうか。
個人的な思想。信条は極力おさえつつも、
システムとしてシンプルに政治参加の重要性を伝える良書の存在の有無です。

「10歳からの民主主義レッスン」

本書のような、シンプルな本。
大事なのは、子ども達に伝えたいことは、
諦めることや、無関心を勧めるのではなく、行動することの大切さです。


行動すること、行動に移して変えることを勇気づける本です。



大人が政治について語らない環境で、子どもはどうやって政治を学ぶのでしょうか。
大人が選挙に行かずして、どうやって選挙に行くという行動を起こせるでしょうか。


選挙に無関心な人たちに囲まれていたならば、自ずと・・・・・
「選挙って何?」「選挙なんて知らない」「自分には関係ないっ」などと。

自分が体も心もおいている国のことなのに、です。

家庭で、どれだけ話題にのぼるのか、
学校で、どれだけ学べるのか、
友だちと、どれだけ話せるのか、
地域の学びで、こういう分野の話題がのぼる機会があるのか、


どこかで、一粒のタネに出逢えば、
子ども達は自ら考え行動できる大人になれるのではないでしょうか。

自ら考え行動できる人間になるためには、安心して対話できる仲間が必要です。
理想を描ける社会が必要です。


自分の存在する国のことを考え、政治に参加すると言う意識を持ち続けられる
考え直す機会があれば、変わりうる、そう思います。
そういうときに、
政治や民主主義を学ぶ良い書籍があれば、随分大きな助けになるのではないかと思います。




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若者の政治離れ。

そんな中、選挙権を得た若者たちから聞こえるのは、以下のようなものだと言います。
「一体、選挙って何だろう」
「政治について知らないことが多すぎる・・・」
「誰に入れたらいいのかさっぱり分からない・・・」
「自分の1票なんて大したことないか」
「望みの対象がないから、行かなくていいや」




悲しい数字ですが・・・

*古いデータで恐縮です。
ぜひご興味ある方は最新のデータをご確認願います。

日本の若者の投票率の低さは・・・
日本の18~24歳の投票率は32.6% (29カ国中最下位。加盟国平均65.0%) (OECD,2016年

例えば、2017年の衆議院選挙、日本の若者の投票率32.6% (OECD最下位)


一方のスウェーデン
2014年の総選挙、
30歳以下の投票率は81%、全世代の投票率(86%)とほとんど差なし!!

「一票の力を信じています。」
「友だちと政治について、選挙についてよく話します」
「私達の若い世代が社会を変えて行きます」

至る所で、大半の若者たちのこのような積極的な声が聞かれると言います。
政治や選挙と若者の距離が非常に近いのですね。

おそらく、
政治家たちが、国民の声に忠実に耳を傾け、期待に応えているということと、
若者たちもにも、自国をよりよくするのは権利であると同時に義務であると言う高い意識があるということ。これらの両輪が回り続け、ポジティブフィードバックが機能しているのでしょう。


国民の意識と、政治家達の意識。

まずは、一人一人の第一歩から。
自分について学ぶ。

自分の国について学ぶ。
人から、本から、経験から学ぶ。

学び、行動する。

政治を他人事にせず、貴重な一人一票を活かす。
国の一員であるという意識を持つ。

10歳からの民主主義レッスン。
子ども時代から、大事な学びを、ぜひしっかりと!!


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◆この分野のご専門の先生方へお願いです。
ぜひ、青少年向け、小学生向けにもっとこの分野の良書を出版いただきたいです。

◆専門家の方でなくとも、政治、民主主義、主権者教育に詳しい先生方へお願いです。
小中学生用の良書があれば、ぜひご紹介いただきたいです。
洋書でもかまいません。

どうぞ宜しくお願いいたします。


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これまでで一番難しいか? [探Q舎]

自由研究のテーマ。


今回、かなり難しいリクエストがあがった。


うーん、これまでで一番難しいかもしれない?

お子様に満足いただけるレベルまで到達できるかな?

悩ましいテーマだけど、

何とか、ご期待に応えたいと、

踏ん張ってる。


とってもとっても、やってみたいテーマだそうなので。



この研究ができれば・・・
この研究がうまく行けば・・・

このお子様の道が変わる可能性だってあるかもしれないし・・・


などと、考えてしまうと、

なんとかしないとねっ!


という結論になってしまう。
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