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詩人、大岡信さんのこと [リサーチ]

詩人の大岡信さんが今年の4月5日に亡くなった。
朝日新聞の朝刊、「折々のうた」の長期連載で有名である。

Wikipediaによると、
「日本の詩人、評論家。東京芸術大学名誉教授。
日本ペンクラブ元会長。一ツ橋綜合財団理事。
大岡の詩は英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、中国語、スペイン語、マケドニア語に訳されている。」

中学校か高校のときに、教科書に作品が載っていた記憶がある。
詩だったかどうか忘れましたが、スッキリとして鋭い文章だなあ、なんて感じはしたが、
それっきり。これまで通り過ぎていた。

この春、訃報をニュースで知り、そういえば、と少し懐かしさをおぼえ、
改めて詩集を読んでみた。

「大岡信詩集 きみはにんげんだから  水内喜久雄  理論社」


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水内喜久雄さん (選者、著者)のあとがきを読んで。

大岡さんの学童期における天職との出逢いについて少しまとめた。

●きっかけ。
小学校2年生の時、作文を書き、佳作に。
→お父さん(小学校教師、歌人)が黙って応募
→佳作に入選、「なまづ」
 ある日、お父さんが持ち帰ったなまづをしばらく家で飼うことになり、このことを書いた作文。
→このとき、自分より上手く書く人が沢山いることを知る。
 また、人に比較されることの恐ろしさを知る。

●もの書きが身近な環境。
お父さんは二十代の頃から、短歌雑誌を創刊、夜には同人の人が集まることが多かった。
そんな環境で、モノを書くのは誰でもやることだと思っていた。
作文は、模型飛行機や凧を作るのと同じ子どもの遊びの一種だった。
→作文から詩の方に行ったのは、中学3年生(敗戦の年)。中学3年生、4人で同人雑誌を。
 二年の服役を終えて、復員して来た、沼津中学の東大国史科出身の茨木清先生を捕まえて指導を仰ぐ。
→同人誌を書き始めてから、文章を書くのはそんなに簡単じゃないということを知る。
→学校の茨木先生の部屋で熱心に勉強する。読書や気に入った文章の書き写し。

やはり、例外にもれず、多くの要素が必要であるようだ。

豊かな自然体験、
才能、
遺伝、
環境、
親の観察と判断
評価、
タイミング、
同志、
良き指導者、
良い教材、
読書、
GRITなどなど。

さいごに、
若い人たちへのメッセージ が最後に(125頁)書かれていたので、引用する。
○「今は古い時代のものは絶対読まないという人がほとんどです。
それは、やっぱりよくないと思うのです」
○「古い時代のものを読まないで、自分たちだけやっていると円形を描いても半径がとても短いものしかできません」
○「古い時代のものはとても大事だと言われちゃうと反発することがあるかも知れないけれど、今は反発さえしない。反発することができるぐらいに古い時代のものを知っておけ、と言いたいです」




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