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ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか― [探Q舎]

本来、学びは一つです。
"知の体系化"は、個別の知識・情報・仕組みなどを、相互に適宜関連付けた上で、
大きなひとつのまとまりを持ったものに仕上げることです。

本来、学びには理系、文系という境界はないと思います。
自然科学、人間科学という境界もきっとないと思います。

そう考えている中、宇宙の歴史、人類の歴史を時間経過とともに探究する中で、
昨年出版された「ビッグヒストリー〜われわれはどこから来て、どこへ行くのか」を読みました。
とても面白いおすすめの歴史書です。

【ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか―】
―宇宙開闢から138億年の「人間」史 – 2016/11/13
デヴィッド・クリスチャン (著), シンシア・ストークス・ブラウン (著), クレイグ・ベンジャミン (著), 長沼 毅 (監修), 石井 克弥 (翻訳), 竹田 純子 (翻訳), 中川 泉 (翻訳)

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あくまで、人間の歴史のストーリーを主眼にした"歴史書"ですが、
大きな一連の歴史として宇宙の誕生から現在までを捉え、
宇宙、星、元素、太陽系、惑星、地球、生命、人類、人間の歴史を丁寧に深く遡ったものです。

まさに、"無"の状態(時間も空間もないところ)からスタートし、
宇宙の誕生 (ビッグバン)に進み、子ども達が空間、時間のスケール感覚を大切にして、世界観、宇宙観を構築できるように工夫されています。


大きな特徴としては、宇宙誕生から、現在までに至る歴史の中で、複雑性が突如増す大きな転換点 (しきい値:thresholdsという言葉で) を8つ提示しているところです。

1.ビッグバン (138億年前)
2.恒星の誕生 (ビッグバンから約2億年後)
3.様々な元素の誕生 (45億年前、それ以前は、水素とヘリウムだけ存在)
4.惑星の誕生 (太陽系や地球など、地球の太陽からの距離と地球のちょうど良い質量・大きさ)
5.地球における生命の誕生 (条件;適量のエネルギー、化学元素の多様性、液体の状態の水の存在)
6.ホモ・サピエンスの誕生 (20万年前、脳を持つ=学習可能、言語の発達、世代を超えた集団記憶として知を継承)
7.農業 (集団的学習の開始、人口増大)
8.現代世界 (グローバル化、集団的学習、イノベーション)


これまでにない大きな枠組みで"人間とは何か"という問いに対して真っ向から向き合う機会を与える書になっています。

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スケールの大きな学びは、
間違いなく世界の見方を変えてくれます。

私たちの生きる世界をも広げてくれるのではないか。
私たちの可能性をも広げてくれるのではないか。

小さな悩みや苦労をかき消してくれるのにも繋がるのではないか。
何かで打ちのめされて弱ったときに、やりきれない状況に陥ったときに、

しばらくして、そこから抜け出せるかどうかの分かれ目は、
広い視野をもてるかどうかにかかっているような気がします。
持っている世界観の違いであるように思います。

人間の探究は永遠に続きます。


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●ビッグヒストリーを味わい尽くすために 長沼毅
https://www.youtube.com/watch?v=0ljFG2rzhH4
本の魅力について、実に楽しそうに簡潔に説明されています。


●TED_talk David Christian
https://www.ted.com/talks/david_christian_big_history/transcript?language=ja#t-224524
以前、たった18分間で宇宙の歴史をスーッと解説。
見事なプレゼンテーションを披露されていました。
半端ない表現力です。スライドも美しくてとても魅力的でした。


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