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「世界最高の学校経営 the FIRST DAYS OF SCHOOL ―How to be an effective teacher 」 [読書]

「世界最高の学級経営 the FIRST DAYS OF SCHOOL ―How to be an effective teacher 単行本 – 2017/4/7  ハリー・ウォン (著), ローズマリー・ウォン (著), 稲垣みどり (翻訳)」

世界で400万冊以上、売れているベストセラー。
著者は、アメリカの元教師の夫妻である。
アメリカの学校の授業をよりよくすための技法を詳しく紹介している。
日本の学校でも実践できることは多いが、これは国の事情が異なる(授業中の子どもの態度など)ので違うのではないかと思う箇所も多かった。
教師に一言いいたいだけでも言葉を発してはいけないなど、
効率を究極的に重視されているあまり、息がつまらないのか少し心配なところもあった。

学校の先生向けに特化して授業をいかに生きたものにできるかは学級経営にかかっていることが
これでもか、これでもかというくらい書かれていた。
どれだけ学びを達成できるかは、一年間の学級作りにかかっており、
それは学級開きの2週間の成否にかかっているということには同意する。

実践のための具体的なガイドなので、とりわけ新任教師にとって大変参考になる先生向けの教科書だと思う。指導計画の立て方、評価書の作製法、ノートの取り方まで、グループ分け、座席の配置まで詳しい説明があった。

また、少しお疲れ気味だったり、何かを変えたいと思われている先生方にも読んでいただいて、
もう一度、パワーと、ある種特別な教師という職業の高き誇りをを取りもどしていただけたらと願う。

■子どもの学びの達成を実現する、その唯一の要素は教師である。
教育改革でもなく、カリキュラム変更でもなく、教師である。
変えることができるのは唯一教師のみであるということ。

■教育において、最重要の資源は、"教師"である。
教育の向上、学びの達成においてコスパが最高なのは、教員養成にこそ資金を投資することである。
(ジョングッドランドによるUCLAの研究、40年間にわたる教育アイデアの考察)

この2点を知ってもらうために、
文科省、校長先生、教育関係の地方公務員の皆さんにもぜひ読んでもらいたい。


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◎“成果を上げる教師"の特徴”
1 子どもの成功に対して「前向きな期待を持つ」
2「学級経営が素晴らしい」
3「授業を極める」の具体的手法を知っている


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◎教師の指導の4段階
1. 夢想する
(新任教師、楽しく学べばそれでいい、授業の目標が曖昧)
2. やり過ごす
(やらせることを探す、学習成果ではなく、子どもの課題やカリキュラムにとらわれる、労働者的)
3. 熟達する
(子どもに大いに期待していることを伝える、
4. 子どもを変える
(人生を変える、卒業して何年も経ったとき突然教え子が会いに来てくれ教え子からお礼を言われる、本当の意味での"師")
5.4.の段階を経て、再び夢想の段階へ
(子どもの人生を変えるという理想や夢を追い求める。教師自身も学び続け変わり続ける。)


◎成果を上げる教師 (リーダー)の10の性質
1.達成のビジョンがある。
2.いいお手本となる。
3.同僚を導く対人関係のスキルをもつ。
4.共通のゴールに向かって人を動機付け、鼓舞する。
5.ゴールに集中する。
6.締め切りを決め、中間目標を達成する。
7.個人同士、グループ同士の対立を仲裁する。
8.きとんとした知識や技術が重要だと考え、トレーニングを推進する。
9.情報を共有し、若く経験の少ないチーム・メンバーのメンターとなる。
10.準備が万全で、情熱的かつ粘り強い。

◎成果を上げられない教師はみんな同じ。
◎成果を上げる教師はみんな違う (各々が独創的)。

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●グループ活動の効用
教育テストサービスの調査結果
全国的な学力調査報告書のデータ (14000名の中学2年生)
数学と科学のテスト結果の分析をすると、

授業で、教師が実践的なグループ活動を行っている子ども達の成績は、
そうでない子どもたちより数学で約70%、科学で40%上回っていた。
(Wenglingsky, Howard, 2000)

●良い指示には、学びを確かにする点において、子どもの家族のバックグラウンド、収入、人種、性別等の要因より15〜20倍もの効果がある。
(Hershberg,T., 2005)


●逆向き設計という授業計画
達成すべき結果から、計画を始める
step1) 望む結果を決定(何を知ってもらいたいか、何ができるようになってもらいたいか。)
step2) 認識できる証拠を決定 (これはテストとなる。子どもたちが目標を習得したかどうか。)
step3) 学びの体験と指示を計画(どのような活動、資料を使って子ども達の学びへの手助けができるか。)
(Wiggins, G. and J. Tighe, 2004)




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