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教育の勉強会でした。 [ジャンク]

本日は、教育の勉強会第7回を終えました。
毎回、ぶっ続けで3時間以上話します。
ちょうど一年ほど経ちました。
米原はけっこう遠いですが、たまにはいいかもねと思います。
読書もゆっくりできますし、電車に揺られながら思索にふけるのも悪くありません。


毎回、とっても有意義な時間を過ごすことができています。
何をするにも、ディスカッションはほんとうに大切だと思います。
ディスカッションなしに物事をなせることはおそらく皆無でしょうね。
智慧を出し合うことができる人間の素晴らしさを改めて思い知らされます。
相加ではなく、相乗を目指して。
同志との対話ができることがどれだけありがたいことでしょう。





毎回、とても幸せな気持ちで感謝の気持ちで一杯になります。

科学技術が進み、会わずに相談、交渉、会議・・・ということも増えつつ有ります。
実際に直接会って密度の濃い話し合いをする機会が減りつつありますが、
やはり、face to faceの大事さは譲れないと思うことも多いです。

直接会って話すことは、私にとってはなくてはならないものです。
きっとこれからも、それはなくてはならないもので有り続けるでしょう。
古典的な人間でしょうか。
古くさい人間だねって言われても気にしませんよ♬



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探Qイベントクリスマス便〜「イルミネーションに対抗?!」 [探Q舎]

12/22 (金)17:40分より、生涯学習センター501にて、
探Qイベントクリスマス便〜「イルミネーションに対抗?!」
を行います。

現在、お申し込み受付中です。
シンプルな原理ではありますが、科学の不思議を身近に感じていただければと思います。
クリスマスですから、きれいな色を楽しみましょう。

■対象
年長さん〜6年生
■定員
お子様6名様
■日時
12月22日(金)17:40〜19:00 
■場所
生涯学習センター501
■持ち物
タオルなどのお手拭き、汚れても良い服装、筆記用具
■参加費
お子様お一人800円
■お申し込み&お問い合わせ
探Q舎まで。
info@tankyusha.com
090-4497-0335
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探Q力をきたえよう!第9回目終了 [市民講座]

探Q力をきたえよう!第9回目終了しました。
「かがくはんのうとなかよしになろう!」


化学反応は、私たちの日常生活に溢れています。

ガスが燃える。
カイロから発熱させる。
呼吸する。
消化する。
鉄がさびる。
10円玉がさびて緑に変色する。
バスボムが泡立つ。
お菓子作りのときのベーキングパウダー。
などなど、思いつくものを挙げればキリがありません。


今回は、皆さん、自分の手で化学反応をおこし、自分の目で反応をしっかり観察できましたね。
化学反応と仲良しになれました!


私たちの世界では、物質は原子、分子からできています。
天然に存在する元素の種類はおよそ90種類 (人工的に作られた元素を除く場合)。

自然に存在する物質は、これらの元素の数、組合せ、結合の仕方、が異なることによりできています。
これらが異なることによって、全く性質の異なる物質が生み出されるのですね。

お互い手を取り合って、変身するのです。
化ける反応です。

少し立ち止まって考えると、とても不思議に思えませんか?





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しかしながら、もっと不思議なことがあります。
私たちの世界をもっと広げて、宇宙規模で考えてみましょう。
宇宙では、先程述べたような通常の物質は、実はたった5%しか存在しないのです。

宇宙は何でできているのでしょうか?
残りの95%は未知の物質である暗黒物質と暗黒エネルギーです。
まだまだ正体不明のようです。

世の中、広いなあ、そう思いませんか?

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10月から始った講座も、来週は最終回です。
これまで、早かったでしょうか。普通だったでしょうか。遅かったでしょうか (笑)。
最終回は、風邪などにかからずに、どうぞお元気でご参加下さいね。
お元気な子どもたちに会えますように願っています。
それでは、また。
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探Qイベント、多治見市根本交流センターにて [探Q舎]

12/9(土)9時半より、多治見市根本交流センター (根本駅から徒歩2分)
にて探Qイベント開催します!
"キャベツの探Q" です。定員6名様です。
ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。
お申し込み受付中です。


日常生活には謎や不思議がたくさんあふれています。
設備や資金がなくても、ご家庭でも深い学びができます。
学びのきかっけを日常から! 日常が学びそのものに!
お友達や親子でご一緒に参加されませんか?

お申し込み
info@tankyusha.com
090-4497-0335

スライド05.jpg


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敵わない [探Q舎]

プレゼントに頂いたお花を子どもたちにも一緒に楽しんでいただきました。

本来は4枚の花びらが3枚だったり、
他のものとは異なり極度に小さい花びらが紛れ込んでいたりしていたので、
「みてみて、これ面白いでしょっ?」

なんてこちらの方がついつい熱くなっちゃいまして。
押し付けにならない程度に、ほどほどに抑えながら伝えないといけませんね。
気づいたら、一人面白がって、浮いちゃっているなんてことがないように・・・

これまでも、マッドサイエンティストとかときおり言われていましたが、
今回も、突然変異ダイスキングとか、遺伝子スキスキングと呼ばれてしまいました。

お子様の鋭さには、到底敵いませんねえ。
名付けた方も、ちょっと嬉しそうなご様子でしたし・・・・

こちらも、実は密かにちょっとうれしかったり。


「いやいや、そのあだ名、長過ぎて呼びづらいでしょう」
とツッコミを入れ、抵抗するくらいがやっとでしたね。







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かなり高いレベルの・・・「なるほどそうだったのか!!」 [ジャンク]

本日の実験は、お世辞にも100点にはほど遠く、これまでと比べるとなぜだか成績が悪かった。
できるだけ同じ条件で同じ材料で使っても、本日は勝率が低かった。
実験だから、こんなこともある。
リベンジしよう。次こそは100点を狙う。


気をとりなおして、夜は、ずっとお預けだった文献に目を通した。
100ページほどの中に、一カ所、自分の中でかなりヒットした箇所があり、
かなり高いレベルの、「なるほどそうだったのか!!」に久しぶりに出会えた。

小さな気づきにはよく出会えるけれど、
思いがけないところでネットワークがピピピーッと繋がる清々しい体験には、
毎日出会えるものではない。

本日はこれでよしとする。
明日、残りの半分でも出会えると嬉しい。









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もしも、銀河を山分けをしたら? [探Q舎]

先週、ブラックホールを詳しく知りたいというリクエストがあり、
最新の知見をチェックしているところです。
大きく分けると、恒星由来のものと、銀河の中心に存在するものの2種類です。

ところで、ホワイトホールというものも出て来ているのですね。
現在のところ、マイナーな説ではあるものの、
ブラックホールとは逆に吸い込んだものを排出するとか。

宇宙そのものもたくさんあるマルチバース説というものもあるようで、
マンガのような仮説ですね。

技術の進歩により日々興味深い観測結果がもたらされると共に、
理論の方も益々熱くなっているようです。


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夏の方が人気ですが、実は、空気の澄んだ冬空は星空観測に適していますね。
ときには、寒さ対策を万全にして星空観測というも悪くはないのではないでしょうか。

ちょっとスケール大きめの夢のあるお話し。

地球上の砂粒の数は、およそ75垓。
宇宙の星の数は、700垓。

宇宙の銀河の数は、○○○○億。
地球上の人間で銀河を山分けすると、一人当たり何個ずつになるでしょうか?



地球

太陽系 (銀河の中心の回りをぐるぐる回っている、およそ2億年かけて一周)

天の川銀河(銀河系、約3000億個の恒星)

局部銀河群 (30ほどの銀河)

乙女座超銀河団

宇宙

(マルチバース?)


138億年前のビッグバン直後の、
1秒後以内に、銀河1個分ぐらいの大きさまで急膨張したそうです。
そして、現在までもこれからもずっと宇宙は広がり続けているそうです。

たまには、日常生活から離れて、こういう世界のことを考えるのも悪くないかな、なんて思います。
お子様たちのおかげで、今日もなかなか楽しい探究ができました。

もう3冊目を通して、明日には教材も完成しそうです。

生徒さん、満足してくれるでしょうか。
知れば知るほど、疑問が増えそうで、ますます分からなくなるかもしれません・・・・・
それもまた良いでしょうか?

反応が楽しみです。
新たなテーマが挙れば、さらにPart2を実行ですね。


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探Q力をきたえよう!第8回目終了 [市民講座]

探Q力をきたえよう!第8回目終了


1) ぼくの/わたしのたいせつなもの/こと
たいせつなもの、すきなもの、なくてはならないものについて考えていただきました。
今回は、次のクイズに備える目的もあり、書いたことをお友達に見えないようにするため、
テーブル一つ当たりお一人様に座っていただきました。

親子あたり、一つのテーブルという状況で、まずは、じっくりと考えていただきました。
この形式は初めてでしたが、ご家庭のカラー(?)が出ていて、とても興味深かったです。
そして、課題が課題だけに、親御さんの存在がお子様の記述にどこまで影響を与えただろうかという点が非常に興味深いですね。
例えば、親御さんが教室にいらっしゃらなければどこまで回答が変わったのだろうということです。
うーん、ヒトの場合は、対照実験とかできないですし、難しいところですね。

次回、もしも講座を行うことがあれば、保護者様の見学・参加なしで同じ授業を行ってみましょうか?
もし、実行できれば、また結果についてレポートしますので、どうぞお楽しみに。


書き終わったら、みんなで意見を共有します。
グループ分けするとおよそこのような感じでしょうか?

ひととのつながり関係・・・・・
楽しいこと、面白いこと・・・・・・
快適に日々を過ごすためのもの、こと・・・・・
生きるために絶対に必要なもの・・・・・・

以下は、皆さんから出て来たもののうち一部です。
かぞく、おともだち、バイオリン・・・・・
食事、睡眠、服、クツ・・・
いえ、地球、月、太陽、空気、酸素、水・・・・・いのち

思考のスケールが大きくて、太陽まででてきました!
みなさん、考える力、素晴らしいですね。
他にも、たくさんたくさん、大切なもの、なくてはならないものが挙ってきました。


実は、これは、ホスピスなどでも行われるものなんですよ。

大人でも普段、慌ただしい日々の中で、じっくり日々の生活を見直す機会はなかなかないですよね?
幸せはあちこちに散らばっていますが、空気や太陽、地球の存在は、存在するのが当たり前だと思ってしまっています。家族やお友達も、健康も同じです。

通常のパターンは、失って初めてそのありがたみに気づくというものです。
"そこに何かが存在する"とき、いろいろな巡り合わせがあってそこに存在しています。
決して、当然のことではないでしょう。
おそらく、当たり前ではないでしょう。

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改めて、日々の生活の中には、なくてはならないものが沢山あるということに気づき、
ステキなものに囲まれて生きているんだと実感して欲しくて。
そのハッピーな今、ここにいるという状況を少しだけ身体で感じて欲しかったんです。




探Q舎の授業では、もしも、高学年なら、
生きるって?幸せって?というタイトルで真っ向勝負をかけるんですが、さすがにこれはやりすぎですので、今回は、マイルドバージョンで行いました。



2) うまれかわったらなんのいきものになりたい?

人間に生まれたというまぎれもない事実をもう一度捉えるきっかけをという願いからです。
そして、地球には多種多様ないきものがそれぞれ工夫して個性を活かして生きているということを
お子様たちは、よくご存知です。
相手の気持ちを想像する楽しさを、勝手気ままに想像する楽しさを、相手の立場になって考えて欲しいという願いから、こんなことをしてみました。

クイズ形式でお友達が質問を浴びせながら、それは何かを当てるのですが、

いきものに詳しい子どもたち回答は、とってもマニアックでした!!
答えがかなり難易度が高くて、みなさん智慧を振り絞って考えました。
みなさんの生き物への興味関心が高いこと、よく勉強されていることが伝わってきました。


みなさん、それぞれ個性的な回答でした。
やっぱり次も、ヒトになりたい!という確固たる意志をお持ちのお子様もいらっしゃいましたが、
自分の好きな動物を挙げてくださったお子様もいらっしゃって、多種多様なご回答。


3) 動物園の動物か、野生の動物か、どちらになりたい?
野生を選ぶと言うご意見が多数でしたが、回答されたあと、モヤモヤが出て来たようです。
みなさんぼそぼそとそれぞれのメリット、デメリットを頭に思い浮かべてお考えのご様子。

帰路の宿題になったでしょうか?



お友達の考えを知って、みんなそれぞれ面白いなって感じてくれたでしょうか。


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さらに探Q、のコーナー。

★生き物の種類と数
いろいろな説がありますが、
地球上の生き物は、8,700,000(870万)種存在するといわれ、
その90パーセントがまだ発見されていないといわれています。
ほとんどの生き物がまだ見つかっていないんですね!



☆生命の存在、ヒトの存在にとって、奇跡と言って良い環境

■地球と月と太陽の大きさのバランスと、距離のバランスが絶妙。
第六回目の講座で学んだ通りです。
水が液体として存在する、温度も適温、大気の厚さ、電磁波、などなど。。。
ハビタブルゾーンとよばれる条件です。

■地球の磁場が、太陽からの有害な放射を遮ることができる。


■大気が地球を包んでいる。
住みやすい気温を維持、隕石の落下も防ぐ。
空気の組成も絶妙。
酸素21%、二酸化炭素0.03%.
もしも、二酸化炭素が増え、その量が6%になると、ひどくあえぐようになる。
もしも、酸素が16%になると人体への影響が現れてくる。
10%以下になると、もうヒトは生きてゆくことができなくなると言われている。






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教員免許更新の証明書が届きました [ジャンク]

すっかり忘れていましたが、教育委員会より教員免許更新の証明書が無事に届きました。

これで中学高校でも授業ができるようになりました!
中学高校でも、探Qをできる機会を今後いつかいただけることができたら嬉しいですね。

まあ、もしもそういう機会を頂けたなら、この夏頑張った甲斐があります。
そういうことがなくても、講習を受けられたので大変勉強になってよかったですけどね。

とりあえず、ひとつ片付きました。
よかったよかった。

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次は、日本語の勉強をして、試験を受ける予定です。
今後、外国人も日本に多くやってこられるでしょうし、
それだけではなく、日本語の奥深さを学び直したいと思ってるところです。
日本人と言えど、日本語を使いこなせているかというとまだまだ知らない奥深い世界があります。
とりわけ、昔から使われている言葉の中には、多くの美しい表現があります。
言葉を知ることは世界を広げることですから、探Q舎の今後に役立つことを確信しています。

まずは、こつこつと日本語の探Qを進めて行きます。






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ノーベル賞経済学者ジェームズ・ヘックマン教授 [リサーチ]

5歳までの教育が人生を左右する。
ノーベル賞経済学者、ジェームズ・ヘックマン教授。
教育経済学があちこちで話題になり、こちらのブログでも何度か取り上げました。
幼児教育が将来にわたって大きな影響をもたらすため、幼児期への教育投資が二重まる、というお話。
就学前児童を対象とした長期に渡る貴重な調査プロジェクトである
ペリー就学前計画のお話は大変有名になったので、皆さんもよくご存知だと思います。


数年前の記事ですが、念のため改めてご紹介しておきます。

■「5歳までのしつけや環境が、人生を決める」2014年11月17日 日経ビジネスONLINE
ノーベル賞経済学者、ジェームズ・ヘックマン教授に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141114/273808/

■「幼児教育」が人生を変える、これだけの証拠 2015年07月02日  東洋経済ONLINE
ノーベル賞学者が教える子の能力の伸ばし方
http://toyokeizai.net/articles/-/73546

●幼児教育の経済学 東洋経済新報社 – 2015/6/19
ジェームズ・J・ヘックマン (著),‎ 古草 秀子 (訳)

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以下、少しふるいですが、
独立行政法人経済産業研究所での2014年のヘックマン教授の講演会での内容の一部です。
大事だと思う所を抜粋しています。(http://www.rieti.go.jp/jp/events/14100801/summary.html)


◆能力の創造に関する最新の研究から得られた8 つの教訓

第1の教訓
多様な能力があらゆる局面において、人生の成果に重大な影響を与えている。
認知力と非認知力のうち、非認知力には、嗜好、自制心、誠実さ、仕事の継続性、多様な社会的やり取りや、経済活動への参加も含まれる。能力の多様性は見逃されがちだが重要である。

第2の教訓
社会経済的に異なるグループの認知力、非認知力の差は、幼少期に形成される。
能力の差は就学前に開き、日本のような先進国では学校教育もこの差を縮めることにあまり役立たない。

第3の教訓
能力の差の出現に対する遺伝の役割。
実証的研究、実験的研究、非実験的研究からは、育児の仕方や環境にも能力を形作る力があることがわかっている。
遺伝も重要だが、遺伝子の発現は、特に幼少期の環境によって修正することができるという研究結果が増えている。

第4の教訓
子どもの発達に重大な意味をもつ、決定的な時期がある。
異なる能力は人生の異なる時期に形成される。
知能指数(IQ)は10歳で同じランクに安定するようになる。
幼少期の恵まれない環境は認知力やその他の成果を方向付ける。
しかし、子どもたちの非認知力は青年期になっても変化しうる。
すなわち、人生の様々な段階で様々なタイプの介入を行う戦略を提言できる。

第5の教訓
子どもたちの置かれた環境にはかなり大きな違いがある。
専門的職業の両親の子どもたちは3歳の時点で、恵まれない家庭の子どもたちと比べて4倍もの語彙を聞いている。
この状況は、子育てのスタイルともあいまって、子どもたちの発達に影響を与える。

第6の教訓
ライフサイクルを通じた復元力がある。
初期の恵まれない環境はその後も影響を与え続けるが、部分的ではあるが社会がそれを償うことができる。
幼少期にネグレクトされていた子どもたちに対する思春期における最も有効な介入は、メンタリング、助言と情報の提供を通じた人格形成、社会的感情能力の形成、人格能力の形成である。
良好な家庭環境で行われていることは、良好な職場環境、職業訓練プログラム、見習い研修プログラムに酷似している。

第7の教訓
「足場作り」の重要性。
子ども、あるいは思春期の青年につき添い、協力し、発達の「最近接領域」と呼ばれる次のステップへ進む意欲をかき立てること。
子どもに説教することは、彼らに関与し、交流することに比べると有効ではない。
この関係においては、子どもと教師(あるいは親)の双方が、システムダイナミクス理論でいうところの「創発システム」によく似た役割を果たす。

第8の教訓
早期投資の重要性。
幼少期に行われる質の高い介入は、能力を促進するうえで有効であり、これは「動学的補完性」の表れである。
今日、しっかりした能力のベースを用意しておけば、明日さらに大きな能力を創り出すことができる。
より高い能力とモチベーションをもつ思春期の子どもたちは学校教育で最高の投資ができる。
能力は早期の投資によって、そしてライフサイクルを通じて創造されるもので、単純に遺伝子によって決まるものではない。


◆能力形成の包括的理解

・能力促進のための有効な社会政策を立案するには、ライフサイクルの各段階で目標とすべき能力について考える必要がある。

・能力開発のために有効な戦略を立案するには、家庭生活、多様な能力、そして能力形成の力学の役割を理解する必要がある。
日本ではOECDの学習到達度調査(PISA)の点数に注目している。しかしながら、能力の経済学に関する最近の研究では、認知力は人生で成功するための要因の一部でしかないことがわかってきた。性格/ソフトスキルや、身体と精神の健康は無視されることが多いが、実は極めて重要である。

・学校、個人、国家が認知力と非認知力の形成を助ける。



◆家庭環境の差異
心理学者たちがアメリカの家庭環境を研究した結果、恵まれた環境の子どもたちはそうでない環境の子どもたちと比べて1時間当たりほとんど4倍近い数の語彙を聞いていることが明らかになった。
また、経済的に恵まれ、教育レベルの高い家庭の子どもたちの方が多くの励ましを受けており、恵まれない家庭の子どもたちはそれほど励ましを受けていないこともわかった。
この結果、3歳の時点で語彙数には大きな差が生じている。

日本では、教育のある母親の方がより頻繁に子どもたちを博物館・美術館に連れていき、本を読み聞かせ、大切な「言葉の風呂」に入れている。


◆まとめー能力は能力を生む

自分たちが、経済学者と社会学者、子どもの発達の専門家の最新の研究を活用しようとしているソーシャル・プランナーだと想像してみよう。

年齢を重ねた時期になって成功できるような能力のベースを形成するためには、出生前や、幼少期を対象にしたプログラムに集中するべきだ。


しかし、恵まれない環境にある人たちのための投資は現在のところ、逆の優先順位で行われている。
必要なのは再分配と矯正だけではなく、予防と事前分配だ。

日本は「人間能力省」を設立するべきだ。

子どものメンターとなり、教え、子どもと付き合うことは、子どものその後の成果を形作る上で大きな役割を果たす。


新たな研究結果の理解が、教育政策に対する私たちの考え方を変えつつある。
大人になってからお金を与えるよりも、子どもたちに前もって能力を分配しておくことが必要だ。
恵まれない状況の家族は、恵まれた親となり、子どもたちの能力を育てられる環境を提供するためのツールを与えられる必要がある。
このような家庭をもっと有効な親に変える政策に比べると、彼らに提供するお金を増やすことは有効な戦略とはいえない。



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