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アクティブラーニングを成功させるには?〜双子の過ちに陥らないように [探Q舎]

アクティブラーニングとは、
「書く・話す・発表するなどの活動への関与と、
そこで生じる認知プロセスの外化を伴う」とされる。

簡略的に言うと、
内化は、必要な知識のインプットであり、
外化は、その知識を活用して課題解決を行うアウトプットである。
分かりやすい例では、講義と演習はそれぞれ、内化と外化の過程に対応する。

学習活動には内化と外化の両方が機能することが必要である。
内化された知識は、課題発見や問題解決などのために活用し、話す・書くといった外化の活動を通して再構築されてこそ、 理解がより深まる(さらに深いレベルでの内化)。
従って、アクティブラーニングを成功させるためには、 内化と外化をいかに巧みに組み合わせるかが鍵となる。

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教科書を網羅する一方向型の知識詰め込み授業、
活動ありて学びなしといわれるなんちゃってアクティブ・ラーニング

どちらも問題あり。どちらも、ほんとうの学びを提供しえない授業となる。
双子の過ち (Wiggins&McTighe, 2005) を避けなければいけない。


教育方法学の立場から、大学教育の研究と開発を行っている松下佳代教授は、
ディープ・アクティブ・ラーニングという概念を唱えている。
外的側面である、協働やコミュニケーションに加え、内的な学びの深化をも考慮する形で、
アクティブ・ラーニングの2次元での再構築を試みているものだ。
外的活動(外化)、内的活動(内化)を共に充実させた学びこそ、真の(深の)アクティブ・ラーニングとなる。

見せかけだけのアクティブ・ラーニングではなく、活動ありて学びなし、ではなく、
"内的活動を充実させることこそ重要"であり、これこそが真のアクティブ・ラーニングであると言える。

松下教授は、高等教育が専門であるが、この原理は小学生の学びにも当てはまると考える。
一見、静かでアクティブな授業に見えなくても、子ども達の中で、深い学びがおこっていれば、
それは、立派なアクティブラーニングなのである。

静かに集中してじっくり取り組むアクティブラーニングもあってよい。
一人で熟考し、内的活動を充実させる学びも、必要なことがある。

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参考)
松下佳代 ディープ・アクティブラーニング  勁草書房  2015
Wiggins and McTighe Understanding by Design 2005








佐藤学X秋田喜代美の対談〜これからの学びを考える [リサーチ]

これからの学びを考える

教育学者 佐藤学氏と
教育学者&心理学者の 秋田喜代美氏の
対談です。

2012年9月収録ですが、
ご興味有る方はご覧下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=-VfeUNgLw-0


ジョン・デューイ(哲学者、教育者,) [探Q舎]

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前向きに上昇志向で生き抜く、強くたくましく頼もしい探究人”一人でも多く。
探Q舎は、デューイの提唱する道具主義、経験主義にも合致しています。

実験や探究活動など、科学的探究を軸として、種々の問題に出会う、課題解決の機会を提供しながら、
課題解決の方法を小学生からしっかり身につけていただくカリキュラムです。
死んだ知識の詰め込みではなく、創造的知性を身につけるための教育プログラムを提供します。

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●デューイの教育論
人間の自発性を重視するものであり、
彼は人間の自発的な成長を促すための環境を整えるのが
教育の役割だとした。

課題解決型学習は、彼の学習理論であり、学習を能動的なものと規定したもの。
知識の暗記にみられる受動的なものを脱却し、
自ら問題を発見し解決していく能力を身につけていくことに
教育の本質をもとめたものである。


●デューイの道具主義
理論や知性は問題を解決するために有用な道具でなければいけない (彼は道具主義と言った)。
問題解決を行う能力を知性を呼んだ。

●人生の課題解決能力
従来の習慣的生活では上手く処理できない状況がしばしばやってくる。
誰しも、生きているかぎり問題状況に陥ることは致し方ないが、
困難な状況に上手く対処できるかどうか。
これが運命の分かれ道である。

直面する問題を解決する能力こそが知性、単に知識をもっているだけでなく、
実用できるかどうかがものを言う。
デューイはこの課題解決能力のことを創造的知性とよんだ。

●課題解決の具体的な方法
1. 問題の原因と解決策について仮説を立てる
2.仮説が正しいかどうかを、実践によって検証する
3.改善しないときは、新たな仮説を立て、それを検証する。

このプロセスは、

仮説と検証という試行錯誤のプロセスを経て問題を解決するというのは、
科学的探究のプロセスと全く同じ。

科学的研究は言うまでもなく、
日常生活の問題解決、
社会問題の解決、
人間関係の問題解決、
人生の問題解決…………………...


死んだ知識の詰め込みではなく、
創造的知性を身につけるために教育はなされるものだ。


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■デューイの有名な著書
経験と教育 (講談社学術文庫) 文庫 – 2004/10/9
ジョン・デューイ, 市村 尚久 訳

生徒が経験を通じて自ら実践的に学んで行く教育、経験からの学びについての思想。
活きた学力は経験から身につくと主張している。
教育に従事する人々の多くは一度は読まれたことがあるかもしれない。

学校教育でも、
やっと、アクティブラーニングが実践される時代になりつつあるがゆえに、
もう一度、今の時代に読み直すことで新たな発見が得られるかも知れない、
古くて新しい貴重な著書に思える。
『民主主義と教育』『学校と社会』も同様である。

デューイの教育論に関しては、まだまだ述べておきたいことがある。
また、別の機会に、何度か彼を取り上げたい。





浮き草レポート [探Q舎]

無事に咲きました。


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文学部で学ぶ学問の意義 [記事]

withneuwsより。
文学部で学ぶ哲学・史学・文学・芸術学等の学問を学ぶことの意義について。

今年3月、大阪大学文学部長で、大学院文学研究科長も務める金水敏さんが卒業セレモニーで述べた式辞が、ツイッターで話題になっているそうです。

「文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます」。

https://withnews.jp/article/f0170724005qq000000000000000W00o10101qq000015619A



たしかに、そういう側面はおおいにあるかと思います。
哲学・史学・文学・芸術学等の学問は、全て、人間学の中に含まれるといってよいと思います。
探Q舎でも、人生の岐路に立ったときに威力を発揮できるような学びを追究していきたいと思います。

これからの時代を“前向きに上昇志向で生き抜く、強くたくましく頼もしい探究人”を一人でも多く。






浮き草レポート [探Q舎]

昨日に引き続き、浮き草レポートです。
今朝の写真です。
もうすぐの予感です。

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浮き草レポート [探Q舎]

浮き草ですが、もうすぐ花が咲きそうです。
写真では分かりにくいですが、薄紫のつぼみがみえます。
つぼみも、浮器(ふき)に負けず、ぐんぐん生長しています。
きれいな花を咲かせてくれますように。

他のいろいろなつぼみたちにも思いを重ねています。

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宇宙と哲学の抱き合わせ学習 [探Q舎]

ビッグバンの発見、
宇宙誕生、
原子の発見、
宇宙の力、
相対性理論、
素粒子、量子論、
宇宙の果て?
宇宙の今後
というながれでの
宇宙の探究。

数日前ニュースに出ていた重力波の話しはもちろん、
ヒッグス場、
粒子と反粒子の相互作用、
宇宙は4次元以上(11次元という人も)あるという話し
なんかも登場する。

とりわけ、ここ20年ほど、科学技術の進展が大きくあったことで理論と観測の両輪が回るスピードが急速になっているようだ。
久しぶりに、見直したら、まあなんと大きな発見が多いこと。
興味は尽きない。

宇宙の探究があまりに壮大なので、
気分を変えるために、あいまに、哲学を入れてみた。

不思議な取り合わせに思えるこの作戦は、予想外によかった。
怪しげな響きかも知れないが、私の脳で興味深い化学反応が起こった。
思わぬ収穫をもたらしたのだ。


マクロの世界とミクロの世界の境界はこれまで思っていた以上にないようである。
同様に、物理学や数学と、哲学との境界も思った以上にないかもしれない。
それほど遠くにはいない。

ひょんなことから、ばらばらだった知識の体系化がおこりつつある。
文章ではとても言い表せないが、本日はたしかに新たな発見がいくつかあった。


宇宙の話しは際限がないが、子ども達が好きなテーマなので、
興味をもつきっかけになるように上手く盛り込んで行きたい。
あまり深くに入り込まないように気をつけよう。
混乱させることはなんとしてでも避けなければいけないので、裏での探究を終えた後、
選りすぐりのトピックスをもう一度組み立てる。

哲学も、堅苦しいものではなく、日々を生きる者であれば、
きっと誰もがいつかどこかで考えることがほとんどだと思う。

あと、6日で、宇宙のテーマを終えなければ。。。。
宇宙はまだまだ面白いトピックスがあるので、宿題がまだまだ残っている。
今週はいつも以上に詰めてかからねば、やっつけられないだろう。


8月の探究テーマはまだ決まっていない。
8月は、子ども達の自由研究がメイン。
夏休み元気もりもり塾、代表ももちろん元気もりもりで走り抜く決意。

社会や地理のテーマが少なめなので、どちらかを選ぶ予定だ。
キャリア教育関係も良いかも知れないとも思う。
あるいは、日頃から美濃加茂市や岐阜県のことをもっと知らなければ、とも思っているので地域のことをテーマにして情報収集してもよいかもしれない。
どんな方向から攻めても、子ども達の探究テーマは、どんどん見つかってくるのだから。

子ども達の笑顔と真剣な眼差しを思い浮かべながら、良い教材をひたすら作って行くのみ。
子ども達からフィードバックを得て、反応が良いものはさらに良く、思ったよりも反応が得られなかったものは徹底してKAIZENを繰り返す。







Pale Blue Dot [リサーチ]

1977年に打ち上げられた太陽圏外を飛行中のNASAの無人宇宙探査機、
ボイジャー1号が1990年に撮影した太陽系の家族写真。

290px-Pale_Blue_Dot.png

(写真;Wikipediaより)

地球から40天文単位、約60億キロメートル離れているところからの撮影。
(ちなみに地球から冥王星までの距離が48億km)
地球が青っぽいちっぽけな点にうつっているため、pale blue dotと呼ばれている。
ほんとうは、月も映っているのだが、解像度が悪くて月は写真では捉えられない。

このボイジャー1号は、2012年8月、人口物体として初めて太陽圏を出た。
1977年の打ち上げから、太陽圏を出るまで35年かかっている。
太陽圏とは、太陽風が及ぶ範囲で太陽磁気圏のことで、太陽系ではない。
太陽系はもっと広い。

現在の位置は、以下のサイトでリアルタイムで確認できる。
https://voyager.jpl.nasa.gov/where/

ボイジャー1号は地球から最も遠くに到達した人工物となっている。
2025年頃まで、
少なくとも観測装置の一部については十分稼動できる電力を供給できると見られている。



「面白くて眠れなくなる天文学」 [読書]

1990年代後半あたりから、技術の進歩により、宇宙について新たなことが沢山分かって来ています。
ここ数年の間にも、大発見がいくつかありました。
今年も系外惑星や地球外生命の存在可能性の高まり、重力波の観測など、
天文学、宇宙物理学の分野でアツいニュースが続いています。


そこで、最新の天文学事情を把握したいという思いから数冊を選んだうちの一冊です。
「面白くて眠れなくなる天文学」縣秀彦   PHP 2016年 11月

数々の面白いトピックスについて、分かりやすいように、親しみやすいように軽妙なタッチで書かれていました。本当は、とても難しいであろうテーマについても堅苦しい表現を避けて上手く興味を抱かせるような工夫がみられました。
こちらの本は、2016年の秋に発行されているため、今年の研究成果をを追加すれば、ほぼ状況がつかめそうです。読みやすかったです。

宇宙や星が好きな方にはもちろんですが、現在、悩みがあって少ししんどい方、大変なことが多くて落ち込みがちな方にもおすすめです。
スケールの大きな宇宙のお話しは、ただ科学的な知識だけではなく、
励まし、癒しのようなものも、きっと与えてくれると思います。
ちょこっと世界観が変わるきっかけになるかもしれません。

本の表紙にあるクイズをご紹介します。

Q) 流れ星1個の重さはどれくらい?
1.コーヒー豆(0.2g)
2.ボウリングの球 (5kg)
3.ジェット機(350t)

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7月末にも流星群の見頃がやってきます。

7月下旬,みずがめ座δ流星群、やぎ座流星群。
7月26日頃からは明らかに流星数が増えたと感じられるそうです。

ご興味のある方は、すこしのんびりと星空を眺めてみてください。
観察中、願い事を唱え続けていれば、叶えられるかもしれません。

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